再編より審査・監視能力強化/日経_201201


【記事の概要】

 地銀の収益性の低下の原因として、筆者(鹿野氏)は以下を挙げて、「単に銀行数が多いことを根拠にして、再編を議論することはやや早計」と指摘している。


1_日銀による超金融緩和政策

2_預貸率※1の低下による業務純利益率の低下

 ※1 預貸率_預金に占める貸出金の割合


 預貸率を高めるためには、「低利の預金でお金を集め、高利の貸出で運用する」という基本の徹底が必要で、その前提となるのは、「銀行の情報生産能力」であり、預貸率の低下の背景には、情報生産能力の低下が一因であるという可能性を否定できないと指摘している。

 特に第4次産業革命※2 に関連する情報生産能力の向上が必須。

 ※2 第4次産業革命_従来の産業区分に分類されない、情報通信・医療・教育サービスなどの知識集約産業をいう。


 情報生産能力の向上をもたらすための施策として、以下の3つを指摘している。


1_ITや技術動向に精通した人材を積極的に登用する。

2_産業調査部といった部署を設置して、借り手企業の経営戦略ニーズにきめ細かく対応できる営業体制を整備する。

3_審査体制の見直し。資金の回収可能性だけに着目すると、借り手企業の経営の安定化や成長は見込み難い。


【思ったこと】

 筆者の以下の指摘は、王道の方向性である一方で、その方向性が一向に進まないから、強引ともとれる金融庁や日銀の制度(システム統合費用の補助、日銀当座預金の金利上乗せ)が出てきているのだと思います。


「再編すること」よりも、「本業_審査・監視とその根拠となる情報生産能力を強化すること」を先に取組むべき。



 




 



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