非正規格差 隠された2つの重要判断/日経_201116

【記事の概要】 

 2020年10月の「同一労働同一賃金」(労働契約法20条)に関する以下の最高裁判決について、結論以外の重要な2つの論点について、解説されています。

□比較対象者問題

□割合的認定問題

□労働契約法20条

20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)

 有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件相違する場合においては、当該労働条件の相違は、①労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(職務の内容)、②当該職務の内容及び配置の変更の範囲③その他の事情(※1)を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。


※1に関する通達(H24.8.10基発0810第2号)

■判断の方法  労働条件の相違が不合理と認められるかどうかは、以下①~③を考慮して、個々の労働条件ごとに判断される。

①職務の内容(業務の内容および当該業務に伴う責任の程度)

 →労働者が従事している業務の内容および当該業務に伴う責任の程度を指す。

②当該職務の内容および配置の変更の範囲

 →今後の見込みも含め、転勤、昇進といった人事異動や本人の役割の変化など(配置の変更を伴わない職務の内容の変更を含む)の有無や範囲を指す。

③その他の事情

 →合理的な労使の慣行などの諸事情が想定される。


□比較対象者問題

□割合的認定問題

 明治大学野川教授のコメント

 賞与や退職金で最高裁が割合を認めた場合、この割合なら不合理ではないというメッセージとして受け取られることを懸念したのかもしれない。


【思ったこと】

 特に「比較対象者問題」について、比較の対象となる正社員を「身近で同じ仕事をしている正社員」とすることが出来ることになる(原告選択説)と、労働者にとっては、かなり有利となるように思います。

 類似する業務を、非正規社員と正社員で分担して行うケースは、事務業務や、製造ラインにおける製造業務では、多くあるケースだと思います。

 自社の組織図・職務分掌・給与台帳等を点検して、上記のケースに該当する可能性がある場合は、対処方法の検討が必要だと思いました。

 

NBCコンサルタンツ 事業再生推進部

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