コロナ対策としての中小企業向けの施策として、「事業再構築補助金」が注目されています。
最新の説明資料は以下となります。
注目ポイント1_補助額が大きい
最大1億円というのは、なかなかすごい金額です!
【21年2月08日追記】
よりコロナ禍の影響が大きい企業向けに特別枠の設定が発表されました。
注目ポイント2_予算規模が大きい
ものづくり補助金_0.3兆円/年
事業再構築補助金_1.1兆円/年
類似する補助金であるものづくり補助金の4倍近い金額となっています。
注目ポイント3_申請要件が(比較的)緩い
【21年2月16日追記①】要件1が具体的に説明されました。
要件_2(事業再構築指針)について、今後、発表される「事業再構築指針」が相当に重要になりそうです。
要件_3-1(認定試験期間と金融機関)について、メインバンク、顧問会計事務所、コンサル会社等が該当します。特に金融機関は融資に紐づく可能性が高いので、積極的に取組む可能性が高いと思います。ただ、どこも対応できるマンパワーには限界がありますので、早めに実績のある認定支援機関を確保しておく必要がありそうです。
要件_3-2(付加価値額の達成)について、正式な説明は未発表ですが、ものづくり補助金の例からすると以下となりそうです。
付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費
例えば、弊社のようなコンサル会社の場合、経費の大部分が人件費となり、売上≒売上総利益なので、売上3%増が要件となります。
売上3%増を達成する投資(事業再構築)となると、「かなり抜本的な投資」でなければ、計画として説明がつかないような気がします。
⇒最も、基準となる事業年度を、コロナ禍の影響を最大に受けている年度とすれば、「事業規模拡大」というよりも、「事業規模回復」というニュアンスで良いのかもしれません。
注目ポイント4_公開されている事例
【補助金概要資料1】
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/2020/201224yosan.pdf
【第1回中堅企業・中小企業・小規模事業者の活力向上のための関係省庁連絡会議】
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/katsuryoku_kojyo/katsuryoku_kojyo/dai1/gijisidai.html
【補助金概要資料2】【21年1月30日追記①】
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/jigyo_saikoutiku.pdf?0125
事例を私なりに分類してみました。【21年1月30日追記②】
一言で、「事業再構築」といっても、かなり「重み」に違いがある印象です。
事例7のように、飲食業からIT企業(情報サービス業)に、「がっつり業種まで再構築」するようなかなり「重い」事例もあれば、
事例10のように、ホテルの部屋をテレワークスペースに改修する程度の比較的「軽め」の事例もあります。
【21年1月30日追記③】
1月29日に、事例が追加されましたので、分析をしてみました。
事例11_喫茶店が飲食スペースを縮小し、テイクアウト販売(コーヒー豆、焼菓子)を始める事例
これは、かなり「軽め」の事例だと思います。
ほとんどの喫茶店で、豆の販売って普通に行われていませんかね・・・?
事例16_ガソリンスタンドが、フィットネスジムの運営を始める事例
これは、何らかのFC(カーブス)加入をイメージさせる事例ですね。
「FC加入」は注目すべきキーワードだと思います。
事例17_ヨガ教室(スタジオ)がオンラインヨガ教室を始める事例
これは、弊社の事業(経営コンサル業、税理士業)と類似性が高い事例だと思います。
コロナ禍以降、弊社でもオンラインでのコンサルティングの機会が激増しました。ただ、対面と比べると品質面で劣る(臨場感、効果他)ことが、現状の課題になっています。
IT技術を投入することで、品質向上が図れれば、新しい市場の開拓、生産性の向上を狙うことが可能となります。
事例23_和菓子製造の過程で生成される成分を活用し、新たに化粧品の製造販売を開始する事例
今回の事例の中では、かなり難易度の高そうな事業再構築の事例だと思います。
和菓子の製造と化粧品の製造は、かなり方向性の異なる製造技術が求められますし、顧客も重複する部分は少ないと思います。
本事業は、採択以前の投資は、対象とならないと思いますので、採択以降に、投資を開始して、基礎技術開発、製品開発、顧客開拓、事業化(収益化)というプロセスを考えると、3~5年(中期)では、なく長期(5~10年)で、成果を図るような事業ではないでしょうか?
注目ポイント5_対象となる費用
【21年2月16日追記②】主要経費と補助経費の区分があります。
研修費が、「補助対象経費になることは珍しい」とのコメントがネット上にありました。
注目ポイント6_スケジュール 【21年1月31日追記①】
公募開始は21年3月になるようです。
「早めに申請したほうが、採択率が高い」というのは、補助金事業のセオリーです。
申請書の準備、GビスIDの取得等を早めに進める必要がありそうですね。
注目ポイント7_策定のポイント 【21年2月16日追記③】
ポイント例から、計画書の章立てが見えてきます。
注目ポイント8_補助金支払までのプロセス、フォローアップ
【21年2月16日追記④】
・補助事業期間の想定が1年間程度であること。
・補助金の支払は、補助事業期間の経過後であること。
・概算払制度はあるということ。【詳細は不明】
・赤枠部分から類推すると、「卒業枠」「グローバル~枠」については、数値目標が未達の場合、補助金の一部返還についての言及がありますが、「通常枠」については、言及がありません。
→ということは、「通常枠」の場合は、数値目標未達によるペナルティーは無いということなのでしょうか?【要確認】
【思ったこと】
この種の補助金は、(後日、省庁から発表されるであろう)「事業再構築指針」や「公募要領」の内容をしっかりと読み込んで、その内容に沿った事業内容(計画書)であるか否か? が非常に重要であるといわれています。
今回の補助金の名前は、「事業再構築」ですので、「事業再構築の程度」とその事業計画の「実現可能性」を天秤にかけて審査されることが予想されます。
既存事業の延長線上の事業であれば、「事業再構築」になりません。。。。。。
しかし一方で、「事業再構築」の程度が大きすぎると、「実現可能性」の評価が難しくなります。
業種転換が容易ではないことは当然として、顧客がガラッと変わる計画(新規顧客に係る売上の割合が大きい計画)の場合、一からの新規営業は容易ではありません。
一般的に事業計画の「実現可能性」を検証する場合、売上計画の実現可能性が、重要な検証ポイントとなります。
よって、従来からの顧客に対して、
1_新しい技術・サービスを、従来からのサプライチェーンで提供する
2_従来からの技術・サービスを、新しいサプライチェーンで提供する
といった事業内容で勝負することが現実的ではないか? と今のところは考えています。
【21年1月30日追記④】
今回の追加事例から、新たな事例パターンが示されました。この事例は、多くの企業で検討が進めやすい事例だと思います。
事例16_建設業が(FCらしき)事業に参入する事例
事例17_サービス業がリアルからオンラインへ移行する事例
【21年2月16日追記⑤】
今回の概要資料で、大枠が見えてきました。
それを踏まえて、計画書の章立てを考えてみましたが、これだけの内容を、ポイントを押さえつつ、コンパクト・分かりやすい資料としてまとめる作業は、かなり難易度が高いと思います。
また、投資額について、補助事業期間(約1年を想定)は、原則として、自己調達(自己資金、銀行融資)での対応となることも要注意です。
→概算払い制度の言及はありますが・・・。
事業再構築の程度が大きくなればなるほど、1_投資資金に加えて、2_運転資金、3_赤字補填資金(赤字企業場合)の見通しも必要となります。
1~3について、大部分の調達が「銀行融資」になる場合、かなり計画内容を詰めておかないと、銀行が、印鑑を押さないような気がします。
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